このことから、誘導ブロックの示す情報意味は「誘導情報」であって、敷設方向は歩行者動線と「平行」であることを再確認する必要がある。 3)全盲者に対して、足の裏または白杖を持つ手の感覚器官経由でルートの存在を伝達できる触覚機能を備えていること。 4)弱視者に対して、前述の機能に加えて、図と地の明度差(輝度差)によってラインを視認できる視覚機能を備えていること。 4. 警告ブロックの性能条件 警告ブロックの性能条件は次のように整理できる。 1)全盲者及び弱視者に対して、この帯の前方には危険があるので前進する際充分注意するようにとの警告を明示していること。 このことから、警告ブロックの示す情報意味は「規制情報」であって、敷設方向は歩行者動線と「直交」であることを再確認する必要がある。 2)全盲者に対する触覚機能、弱視者に対する触覚機能・視覚機能を備えていること。 3)この設備が「規制情報」を担っている側面から、広く利用者一般に情報意味が伝達される必要があり、その重要度は誘導ブロックより大きい。 5. 二種のブロックの使い分け 二つの性能条件を比較勘案すると次のことが指摘できる。 1)誘導ブロックと警告ブロックは、伝達しようとする情報意味が異なるから、もっと差異が理解できるよう工夫を加えていく必要がある。 2)現状では類型的なことが、設置者にも利用者にも混乱を生じさせている可能性がある。 3)誘導ブロックは「安全かつ確実な基本動線」を明示することに徹すべきである。 4)警告ブロックは「前方危険の警告」を明示することに徹すべきである。 6. 誘導ブロックの敷設ルート 1)誘導ブロックの性能を高めるためには、分岐を極力少なくして、敷設ルートを単純化する方法について検討する必要がある。 本来、このような床や天井などに1本の線を印付ける誘導方式は、例えば「入口」と「出口」など、その始点と終点の意味が明らかな場合の2点間の単純な誘導に適しており、途中分岐が入ってその意味内容が伝達されなければ、誰でもわからなくなるのが当然である。 2)「安全かつ確実な基本動線」を明示することに徹するためには、派生的な分岐動線へのルート設定をできるだけ削除し、他の案内様式に置き換える検討が求められる。 3)ターミナル駅の基本動線上で分岐が発生するのは概ね次の箇所である。 a.入場系動線=駅出入口を入って目的鉄道改札口別に方向が分かれる箇所。 b.乗車系動線=改札口を入った後、行先別にのりば方向が分かれる箇所。
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